家族アセスメント バイト先にて

富山です。私は、長らく訪問看護に従事していました。

今は、高齢者ケア施設でアルバイトをさせていただきながら、大学院で勉強をしています。

そのアルバイト先での出来事についてご紹介したいと思います。

個人が特定されないように一部変えているところもあります。

 

介護職員さん(Aさんとします)との会話です。

私「よく面会に来られる家族はどちらの家族ですか?」

Aさん「え~と、○○さんのご家族は毎日来ていて、△△さんはご主人でしょう。ー中略ー あ!あと、□□さん(男性)のところはね、ご家族ではなくて、友人という人が来ているわね~。」

私「へ~、ご友人ですか。男性の方ですか?」

Aさん「そうよ~。車だかバイクだか関係で知り合ったかで、よく旅行にも行っていたんですって。」

私「そうなんですね~。ご友人というか、お二人にとってはご家族のようなものと思っているかもしれないですね。そのくらい大切な存在といいますか・・。」

Aさん「え??あら~、考えたこともなかったわ~。」

(ここで、私は、□□さんは、おそらく独身で、女性が多い家庭で育ったのではないか?と推測しました。すぐにカルテでジェノグラムを確認しましたら、ビンゴ!!でした。)

Aさん「前にね、女性の方が面会に来られていたのよ。その人が奥さんだと思ったんだけど。」

私「カルテを見たら、独身でしたよ。契約書にサインしているのはお姉さんなので、お姉さんがいらしていたかもしれないですね。」

Aさん「そこまで、まったく把握していなかったわ。へ~、なるほどね~。自分の周りに、そうゆう人がいたことがないので、考えもしなかったというかね~。」

私「まぁ、本当にそうなのかどうかはわかりませんよ。私のただの推測ですし。でも、そうかもしれないって思っているのと、思っていないのでは、なんていうか、関わるときの姿勢が無意識的に変わるかも?しれないな、とは思っているんです。いずれにせよ、頻回に面会に来てくださる大切な方がいらっしゃるということは幸せなことですね。」

Aさん「本当に、そうですね。」

 

実は、カルガリー式家族アセスメント・介入モデルを学ぶ前の私もAさんと同じように、自分の周りに同性をパートナーとする方と出会って来ませんでした。なので、同性をパートナーとする人がいるという認識を持つことができていませんでした。

このことに気付くことができたのは、研究会セミナーのステップアップセミナーⅠ&Ⅱに参加して模擬家族を作成したことがきっかけです。

自由な発想で家族を作成してよいのに、自分の中にないものは想像することもできないのだなと思いました。現実の家族は、想像を超える多様性を持っているということを頭では理解していても、実践の場で咄嗟に思いつくようになるには、やはり訓練なのだなと思いました。

 

もし、家族看護を学んでいなかったら、先ほどのAさんとの会話は

Aさん「あ!あと□□さんのところはね、ご家族ではなくて、友人という人が来ているわね~。」

私「へ~。めずらしいですね。」

で、終了していたかも?!しれません。(富山)

 

 

 

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北里大学大学院看護学研究科 

家族看護学Ⅰ

 

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